オイルスキマーとは?仕組み・種類・導入効果をわかりやすく解説【排水槽やクーラント槽の浮上油対策】

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オイルスキマーとは

排水槽やクーラント槽のこんなお悩みはありませんか?

  • 排水槽に油が浮いて悪臭が発生する
  • スカムや浮遊物の除去に手間がかかる
  • グリストラップ清掃の負担が大きい
  • クーラント液がすぐ腐敗する
  • 油回収作業に人手を取られている


このような課題の解決に役立つのが「オイルスキマー」です。

オイルスキマーは液面に浮いた油やスカム、浮遊物を効率的に回収する機器で、多くの工場や排水処理設備で導入されています。

本記事ではオイルスキマーの仕組みや種類、導入効果、選び方までわかりやすく解説します。

目次
  1. オイルスキマーとは
  2. オイルスキマーが必要になる理由
  3. オイルスキマーの選び方
  4. オイルスキマーはどこで使われている?
  5. 運用の注意点
  6. まとめ

1.オイルスキマーとは

オイルスキマーとは、液面に浮いた油やスカム、浮遊物を回収する機器です。浮上油回収機とも呼ばれます。
浮上油や浮遊物(異物)の除去は、環境保護、作業環境保全などのために必要なプロセスですが、マンパワーでは限界がある作業です。
機械によって自動化することで、安全かつ効率的に除去を行えるため、

  • 排水処理設備
  • グリストラップ
  • 工作機械のクーラント槽
  • 港湾、河川、湖沼、池


などで利用されています。

2.オイルスキマーが必要になる理由

槽内に浮上油を放置するとどうなる?

槽内の油分を放置すると、以下のような問題が発生します。

  • バクテリアが増殖し悪臭が発生
  • 排水基準の超過
  • 排水設備への負荷
  • 清掃作業の負荷増大


工作機械のクーラント液の場合には、上記に加えて次のようなリスクがあります。

  • 加工品質の低下
  • 工具寿命の低下
  • 液交換コストの増加


そのため油分は定期的に除去する必要があります。

オイルスキマーで環境保護と生産性向上

オイルスキマーを導入する主なメリットは、「環境保護」と「生産性向上」の2つです。

各種工場の排水には油分・有機物・無機物などが含まれる場合があります。
排水の油分や浮遊物を継続的に除去することは、法令や条例で定められた排水基準の維持や周辺環境への配慮につながります。

また、これまで人手で行っていた回収作業を自動化できるため、作業負担の軽減、安全性向上、設備の安定稼働などの効果が期待できます。

3.オイルスキマーの選び方

排水の内容に合わせた設備や処理方式による適切な処理を行うことが重要です。

オイルスキマー選定の3つのポイント

「何を」「どこで」「どう運用するか」を整理すると選定がスムーズになります。

① 何を回収するのか
回収物の種類:油・スカム・浮遊物など
回収物の状態:粘度・流動性など
  例)流動性のある鉱物油、スカム、藻類など
② どのような環境で回収するのか
設置条件:場所・槽の大きさ・水位・液面変動など
  例)地下排水槽、D4m×W4m×H5m、最低水位1m、液面変動あり
③ どのように運用するのか
運用条件:電源・稼働時間・油水分離機器の有無など
  例)200V/50Hz、8時間/日稼働、既設分離機あり


オイルスキマーの種類

オイルスキマーには、回収の仕組みの違いによって様々なタイプがあり、用途(回収物の種類)や環境(設置スペース)などによって使う機器を選択します。

主には以下の4タイプが挙げられます。

回収方式 回収方法 特長
ベルト式オイルスキマー
ベルト式
ベルトを液中で回転させ、表層油を付着させて回収します。 ✓ 構造がシンプル
✓ 狭い槽にも対応
円盤式オイルスキマー
円盤式
ディスク(円盤)を液中で回転させ、表層油を付着させて回収します。 ✓ コンパクト
✓ 設置スペースが小さい
スクリュー式オイルスキマー
スクリュー式
螺旋状のスクリューを回転させ、表層油を掻き込んで回収します。 ✓ 油水分離に優れる
✓ 消耗部品が少ない
フロート式オイルスキマー
フロート式
浮き(フロート)を水面に浮かべ、表層の油を吸引して回収します。 ✓ 水位変動に追従
✓ 浮遊物の回収も可能
✓ 設置が容易

ワールドケミカルのオイルスキマーはフロート式を採用しています。
浮いているため液面の変動に合わせて追従でき、各種排水槽をはじめ海や河川などでも有効です。
また、吸い込んで回収するため、浮遊物(異物)の回収も可能です。

オイルスキマーの比較

前述のように、オイルスキマーには複数の回収方式があり、それぞれ得意な用途が異なります。

比較項目 ベルト式 円盤式 スクリュー式 フロート式
低粘度油への適性
高粘度油への適性
スカムへの適性
スラリーへの適性
液面変動への追従性
狭い槽への設置
メンテナンス性

              ◎:非常に適している ○:適している △:条件による

 ※ 適性は油の性状、液面状態、設置条件、運転条件などにより異なります。


選定で失敗しやすい例

選定を誤ると、期待した成果が得られず課題解決が停滞することがあります。

• 回収物の状態を把握していない
 高粘度油の回収にベルト式を選び、回収量が不足してしまう

• 開口部寸法を確認していない
 マンホール開口部から回収したいのに、開口部の寸法と機器の寸法を正確に確認せず、機器が搬入できない

• 液面変動を考慮していない
 槽内に貯まる液の増減や波立ちを考慮しなかったため、空運転や回収効率の悪化が起きる

失敗しないためには、入念な事前確認が必要不可欠です。
ワールドケミカルでは、選定ミスを防ぐために、チェックシートを使って現場状況の把握と共有を行っています。
また、現場で試せるデモ機を用意しており、購入前に現場と機器の相性を確認することができます。

4.オイルスキマーはどこで使われている?

主な使用場所

オイルスキマーは、油や浮遊物が発生するさまざまな現場で使用されています。
(当社のフロート式オイルスキマーを使用した場合)

工場排水槽

工場 排水槽

回収対象
鉱物油 スカム カス
導入効果

✓ 水質保全

✓ 場内環境の保全

✓ 悪臭の低減

✓ 清掃負担の軽減

グリストラップ

食品工場 グリストラップ

回収対象
動植物油 カス
導入効果

✓ 水質保全

✓ 衛生環境の維持

✓ 悪臭の低減

✓ 清掃負担の軽減

工作機械クーラント槽

工作機械 クーラント槽

回収対象
切削油・潤滑油 カス
導入効果

✓ 加工品質の保持

✓ 工具の長寿命化

✓ 悪臭の低減

✓ 作業環境の保全

浄水場沈殿槽

浄水場・池沼

回収対象
浮上油 藻・浮草 枝・葉 ゴミ
導入効果

✓ 水質保全

✓ 悪臭の低減

✓ 清掃負担の軽減

✓ 景観維持




活用事例

導入事例をもとに代表的な活用シーンをご紹介します。
(当社製フロート式オイルスキマーの活用事例です。効果は使用条件によって異なります。)
工場排水槽
 電子部品製造
課題
製造工程で発生した油分やカスが液面に蓄積し、配管詰まり 悪臭 清掃作業の負荷 に悩んでいました
改善
✓ オイルボールになる前に回収でき、配管詰まりが解消
✓ 夏場の悪臭が気にならないレベルに低減
✓ 清掃作業から解放され、定期的な点検・メンテナンスで快適に運用
 表面処理メーカー(めっき加工)
課題
排水槽に鉱物油が浮き広がり、回収作業の負担 作業の安全確保 に苦慮していました
改善
✓ 浮上油を自動的に除去でき、回収作業から解放
✓ 安全な作業環境になったことで、従業員のモチベーションが向上
グリストラップ
 社員食堂
課題
油脂の蓄積による 悪臭 清掃作業の負担 廃棄コスト が課題となっていました
改善
✓ 悪臭がなくなり衛生環境が改善されたことで、利用者や従業員のストレスが解消
✓ 清掃作業が効率化でき、従業員の心身の負担が軽減
✓ 業者に依頼する本格清掃の回数が減り、コストダウンにつながった
クーラント槽
 自動車部品のマシニングセンタ
課題
水溶性クーラント液に浮く油による 腐敗臭 液寿命が短い ことが課題でした
改善
✓ 悪臭がなくなり、場内環境が改善
✓ 液交換頻度が低減し、作業効率の上昇とコストダウンを実現
✓ 液の品質維持と工具の長寿命化によって加工精度が向上
浄水場・池・その他
 沈殿槽
課題
流入した油、飛来した葉・虫・ゴミ、藻などが浮き、水質維持 作業負担 が課題
改善
✓ 継続的な除去で衛生環境が向上し、処理水の水質維持を実現
✓ 目詰まりがなくなり、後段の処理槽や設備への負荷が軽減
✓ 作業負担が軽減し、業務改善につながった
 公園の池
課題
外来種の浮草が水面を覆いつくすほど繁殖し、水質管理  /景観管理 が課題
改善
✓ 定期的な除去で水質の悪化を抑制
✓ 視覚的な美しさが蘇り、来園者や地域住民の満足度が向上
✓ 清掃作業の負担が軽減し、業務が効率化した
 港湾への流出油や漂着物
課題
災害や事故による油の流出や異物の漂着時に、緊急に回収作業ができる備え が必要
改善
✓ 港での突発的な油の流出の際に、簡単に設置でき被害を最小限にとどめた
✓ 水害による二次災害で工場から油流出があったが、河川への広がりをオイルフェンスとの併用で被害範囲の拡大を防いだ
✓ 備えておくことで、地域や従業員を守る安心と精神的なゆとりが生じた

5.運用の注意点

オイルスキマーの特性を理解して運用することで、効果的に、かつ長く使い続けることができます。
回収精度の向上やメンテナンスの効率化にお役立てください。

運用ポイント(オイルスキマー全般)

① 液面の状態
液面が激しく波立っていると、油と水が混ざり合ってしまい、回収効率が低下します。
できるだけ液面が穏やかな場所に設置してください。

② 油の滞留ポイント
オイルスキマーの設置場所は、「油がどこに集まっているか」で決めます。
槽の形状や水流により、浮上油や浮遊物が溜まりやすいコーナー(死角)があります。
そこに吸込口やベルトなどの回収部が来るように配置してください。
放水などで水流を作り、オイルスキマーに浮上油を寄せる方法もあります。
ワールドケミカルでは水噴射で回収物の滞留を解消する「ジェットフロー YD-JFL型」を取り扱っています。

③ 温度と粘度
冬場など気温が低いと油が固まりやすくなり、流動性の低下や詰まりの原因になることがあります。
液温が高すぎると、機器の材質によっては寿命を縮める可能性があるため、耐熱仕様の確認が必要です。

④ メンテナンス
異物の詰まりがないか、部品が消耗していないかなどの定期チェックや清掃を行うことで、回収効率の維持や機器トラブルの予防につながります。

⑤ 回収後の「油」の扱い
オイルスキマーで回収した油には、少なからず水分が混入しています。
セパレーター(分離槽)などで油水を分離してから廃棄や再利用できるようにすると、産廃コストの削減につながります。


6.まとめ

オイルスキマーは、液面に浮上した油やスカム、浮遊物を効率的に回収する装置です。

排水槽やクーラント槽、グリストラップ、河川・港湾・池沼など幅広い現場で利用されており、悪臭対策や排水管理、設備保全、作業負担の軽減に貢献します。

ただし、回収対象物の種類や量、設置スペース、液面変動の有無によって最適な方式は異なります。
十分な効果を得るためには、現場の状況に合った機種選定が重要です。

ワールドケミカルでは、液面変動に追従できるフロート式オイルスキマーを製造販売し、排水槽・グリストラップ・クーラント槽・港湾や池沼など多様な現場・用途に対応しています。

現場調査やデモ機による事前検証も可能ですので、浮上油やスカム、浮遊物の回収でお困りの際はお気軽にご相談ください。